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阪神の「あれ」と、アナログ鉛筆の行方

プロ野球・阪神タイガースがセ・リーグを制しました。岡田監督が監督就任当初から口にしていたのが「あれ」という言葉です。優勝を指す言葉として自然に口から「あれが」「あれを」と出たようですが、決意を込めて力強く「優勝」と気張るのでなく、すごいことをすごいと思わせずにサラリと相手に伝えるという意味で、「あれ」は絶妙なトークの手段として生きたんだろうなと感じます。普段は物忘れで言葉が出てこないときに、思わず「ほら、あれ!」なんて言ってしまいますが、人の心をつかむうえでこんな使い方もあるんだと納得でした。

 閑話休題。今日は身近にある気になる「あれ」について、ちょっと触れてみたいと思います。もう何年も引き出しのなかにある「あれ」とは、そう、小学校のときによく使った鉛筆です。なんと、自分が使わなかった何十年も前!の鉛筆がそのまま残っていて、さらに自分の子どもが使わなかったものまで含めると、え~という本数があるんです。これ、皆さんはどう処理していますか? 時を追うごとに使う機会のなくなった鉛筆。今や子どももタブレットを使う時代ですから、ますます減っていくであろう学校アイテムです。

 鉛筆って、私の頃はHBを主流としながら2Bも少し使ったし、高校生のときはシャープペンシルと合わせてHの薄い鉛筆も使いました。でも、どうやらこれも時代遅れのようです。小学校入学の際に必要とするのは主に2Bで、ほかはむしろ不要とか。濃い芯の鉛筆のほうが使われているのです。私は濃い鉛筆で書くとノートが汚れてくるので、それが嫌でHBHを使ったのですが、やはり見えやすさという点では2Bのほうがよいようですね。

 鉛筆表記のHは「ハード」という意味で、では反対にBなら「ソフト」を意味するSでいいのに、Bは「ブラック」を表しているそうです。不思議な表記ですね。そして、鉛筆の種類を調べると、もっとも硬いのが9Hで、軟らかく濃い6Bまで、日本に現在あるのは計17種類。銀座の有名文具店、伊東屋へ行く機会があったら、あらためて確認してみたいところです。

 それにしても、大人になってますます鉛筆は使わなくなりました。でも、ユニスタでは意外に使われる機会が多いんです。新入生の方々から受けた複写式伝票は、納品までチェックを繰り返し、大切に保管します。このチェックは、間違ったらサッと消せる鉛筆が一番! もちろん消せるボールペンもありますが、手作業の多い納品時は完全アナログ。やはり活躍するのはレトロな鉛筆です。他業種でも、メモは鉛筆に限る、なんてところ、案外今でもあるんじゃないですかね。

 とはいえ、メモするなら主流はボールペンです。その種類たるやものすごく、驚くべき進化です。おかげですっかり隅に追いやられた鉛筆ですが、このまま鉛筆を放置しておくのも忍びない話。そこで懐かしさもあって、このほどちょっとメモるときには鉛筆をそばにおいて使うようにしました。なかなか減らないのがミソなのですが、かわいい絵入りの鉛筆などは小さかったときの子どもの思い出も含まれていて、何となく気持ちがほんわかします。おねだりされて駅前で買ってあげたな~などと、当時の風景が蘇ります。

 その鉛筆を見ながら、懐かしい風景をもうひとつ思い出しました。鉛筆削りが普及していなかったとき、よく母や祖父母が鉛筆を小さなナイフで削っていました。鉛筆削り用?に「ボンナイフ」っていうのがあって、何本かまとめてきれ~に削ってくれている風景はまさに昭和です。

そんな鉛筆、この先どんな歴史を辿るんでしょうかね・・・。

長年お世話になってきた、大田区の高梨文具さんにて

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