BLOG

  • TOP
  • BLOG
  • 母校のプライドを人生の糧に

母校のプライドを人生の糧に

先日、熊本県出身の歌手の方とお話する機会がありました。すでに還暦を過ぎたベテランの歌い手さんですが、ひょんなことから高校時代の話に。母校は超進学校で質実剛健で知られる県立済々黌で、しかも野球部に所属していたとのことです。猛練習で勉強は二の次だったと苦笑していましたが、数年前に久々に甲子園出場を果たし、甲子園球場まで応援に。「自分たちの夢を叶えてくれて、後輩たちからエネルギーをたくさんもらったよ」と、うれしそうに話していました。

 自分の高校時代について特別語るものはないと言うのですが、歌と関わる日々のなかで時折顔を出すのが「済々黌魂」。何か壁にぶち当たったとき、「ここで負けてどうする」「逃げるな、済々黌だろ」と、済々黌出身であるというプライドを自分の士気につなげているとのことでした。ひと言で表現すれば、心意気でしょうか。高校に在学していたときからこのプライドは要所で発揮され、勉強、行事、部活動と周りの生徒たちの士気の高さといったら半端なかったとか。そんな仲間から受ける刺激はことのほか大きかったようです。確かに気持ちの持ちようで、少なからず結果も変わってきます。いいことも悪いこともひっくるめ、自分の過去を「今」に生かすということが、とても大切で素敵なことなんだなと改めて思いました。

 ところで、少し前にNHKで、同じ熊本の進学校、県立玉名高校を特集したドキュメンタリー番組がありました。偶然目にしたものですが、この学校の伝統である体育祭を追いかけたもので、このスケールが半端なくてびっくり。全校生徒が3つのグループに分かれて応援団を結成するのですが、そこで各団が応援合戦として披露するのが人文字。甲子園球場で繰り広げられる高校野球の応援でよく見かける、あれです。

 まず、準備段階からすごい。どんな文字を表現するかを自分たちで決め、それが目を丸くするするほどのバリエーションがある。各人が手に持つのはタオルで、この色が10色くらいあったでしょうか。どこで何色を出すのかを頭に入れたうえで、色違いの複数のタオルの頭を縫い合わせ、表現する文字に合わせて担当する色を素早くめくって出していく。このスピードがまた、半端なく早い! 1年生などは最初みんなオタオタしているのですが、上級生から個別指導を受けるなどして見事修得していました。

 この体育祭を毎年地域の人が楽しみしていて、こぞって見にくるほどの人気だそう。準備は完全に生徒主導で、男子のリーダーもすごいけど、女子がまた迫力満点! 当日は学ランを着て、めちゃくちゃカッコイイんです。昭和の時代に戻ってる~と、感動すら覚えました。勉強も大変だけど、こうして行事にも全力投球。山に囲まれた驚くほど広い校庭で当日繰り広げられた体育祭。映像でなく、いつかこの目で見てみたいと思ったほどでした(生まれ変わったらやってみたい!)。同校のHPにも掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。

 コロナが落ち着き、今年は学校行事がどこも以前の規模に戻って行われていると思います。ここ数年できなかった悔しさをぶつけるように、がんばった生徒さんも多かったのでは? どちらかというと、都会の学校よりも地方の学校のほうがこうした行事には積極的な気がしますがどうなのでしょうか。もうだいぶ前から運動会の競技は危なくないものを中心に・・・という傾向が強いようですが、騎馬戦や棒倒しなど、以前と変わらず実施する学校もあるようです。スケールの違いは各校あるでしょうが、みんなで必死になってつくりあげ、やり遂げたときの想いは言葉にならないものがあります。秋が体育祭、運動会という生徒さんは、ぜひがんばっていい思い出をつくってくださいね。もちろん、ケガなどしないように。今回は熊本つながりでのブログでした!

 

Page Top