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歴史を学ぶ。映画「ハルビン」を鑑賞

男子学生も、日傘を使う時代です。先日は、外側が黒で内側が白という、オシャレな日傘を差して歩いている男子を発見。背中のリュックの脇には右にペットボトル、左ポケットに入っていたのは手持ち式の小型扇風機で、熱中食対策万全って感じです。

 ただ、室内に入れば冷房が効きすぎているところも多く、温度差に体が悲鳴を上げ気味です。最近入った映画館はもう冷え冷えで、薄い長そでを持っていたにもかかわらず今一つ役に立ちませんでした。真夏は冷え対策で上着も1枚必要なので、何だか荷物の多い季節でもありますね。

 今日はことのついでに、有楽町で観た映画の話を少々。興味があって観たのは『ハルビン』です。1909年、伊藤博文が中国・ハルビンで安重根(アン・ジョングン)に暗殺された大事件を映像化した作品で、主演が『愛の不時着』のヒョンビンだったこともあり、これは観なくてはと足を運びました。

 韓国作品なので、当然のことながら韓国の人々の目線で描かれています。日本軍の描かれ方など、本当にそうだったのかと虚しさを覚えるシーンが多々あり、いろいろなことを考えさせられました。安重根はもちろん韓国では死後、英雄となりますが、祖国独立のために日本の支配に抗おうとした姿はあまりに重く、さらに誰よりも高潔なる人物であったと知って、歴史の一幕としてポンと頭に入れていただけの自分が恥ずかしくなりました。

 日本、韓国の人々が、それぞれどのように当時を解釈しているのか、この映画でその本音を知ることができます。理解の仕方は人により違っていいと思いますが、原点に立ち返れば、なぜ人は争うのか。なぜ人のものを奪おうとするのか。殺し合う戦闘の場面や、他人を疑い、裏切り、自らも追い詰めていくシーンを観て、戦争のむごさ、殺し合うことの愚かさをあらためて感じないではいられませんでした。

 映像は全体的に暗く、ヒョンビンの顔も絞首刑の場面しかきれいに映し出されていません。でもだからこそその最後のシーンが重厚だったし、厚く延々広がる氷の張った極寒の地をひとり歩くシーンも見応えがありました。当時の空気感や人々の心理を巧みに表現し、昨今はネット社会により情報を絶え間なく与えられる時代ですが、荒々しさとまた静寂な風景の描写は観る人に考える余地を与え、気を抜くことなど許されない2時間でした。

 と、映画の感想はどうでもよくて、大学の受験科目の一つが日本史だった私。一体何を学んできたのかなぁと情けないっちゃない。歴史を学ぶというのはやはりどうしてそうなったのかという詳しい背景を知らなければ、年号と内容の記憶に止まってつまらないものになってしまいます。しかも、一度頭に入れたはずの記憶は平気で日々薄れていくし・・・(ため息)。

 今を生きる学生の皆さんの、歴史の学び方はどんな感じなのでしょうか。受験にはおよそ関係はないでしょうが、勉強に疲れたら、ちょっと一息、このような歴史映画を見るのも悪くないのではと思います。

 今回の『ハルビン』は公開される劇場が多くないうえ、1カ月ほどの上映期間。私が観た有楽町も7月末までのようです。主演のヒョンビンは、安重根という重い役を自分にはとても無理と、一度は固辞。強いオファーを受けて、最終的に出演を決めたそうです。

ちなみに伊藤博文役は、唯一日本人俳優で参加した、リリー・フランキーさん。あちこちの作品に引っ張りだこの熟年俳優さんで、ネットフリックスオリジナル『地面師』でも印象的な役柄でした。年を重ねるごとにいい味が出て存在感を増す、人としてこうありたいなと思う役者さんの一人です。

 

 

 

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