地球儀とウルグアイ
今、欲しいものってありますか? ウィンドウショッピングをしていて「これ、欲しい!」と思ったり、生活しているなかでもっといい家電が欲しいとか、ふかふかのソファーがあったらなどと思うのはよくあることです。
私が個人的に今欲しいものといえば「地球儀」です。小学校のとき、図工の授業で作ったよな~というやつ。できればそれよりももっと重厚感のある、インテリアにもなりそうなやつがあったらな~と思うんです。
学生時代、世界の国々についてそれなりに学んだはずなのですが、ニュースを聞きながら「この国はどこにあるの?」と聞かれたらなかなか答えられないことに気づきました。新しく独立して誕生した国もあるし、分裂した国もある。世界情勢は今本当に危うくて、紛争があちらこちらで起きています。同じ地球上にある国なのに、おかれている状況は千差万別。食糧難による飢餓は今に始まったことではなく、どうしてこんなことに?と、心を痛めることがあまりに多いと感じます。
そんな思いから、まずは関心を寄せることが大事と地球儀が欲しくなったわけですが、でも家族会議のたびに「どこに置くんだ?」とか、「壁に貼れる大きめの地図のほうがよくない?」とか、消極的な意見で未だ実行に至らず据え置きに甘んじています。
で、手に入れぬまま、代わりに何を活用しているのかというと子どもの高校時代に使った世界地図本。これ、今さらながら中身が濃い! 教科書って全部を理解するのは至難の業(私はです)だけど、どこを見てもすごく吟味された情報ばかりで、大人が読んでも十分飽きません。我が家の場合は使われるべきときに使われず、忘れた頃に役に立つ・・・というイメージでしょうか。
世界地図を見ながら、最近調べたのは「ウルグアイ」です。どこにあるか、学生の皆さんならわかりますよね。ブラジルとアルゼンチンの間に位置した国です。この国の元大統領(ホセ・ムヒカ氏)が、5月に89歳で亡くなりました。収入のほとんどを寄付し、「世界でもっとも貧しい大統領」と言われた人です。軍事独裁政権だったときには14年間も収監された過去があり、その後政治家になって2010年から2015年まで大統領を務めました。生活費は、毎月15万円程度だったそうです。
こんな人もいるんだな・・・と、ただただ感銘を受けるばかり。「ウルグアイ」はサッカーの強豪国でもあり、ワールドカップは過去2回優勝。日本とも試合をしていますから、知らない人は少ないと思います。
元大統領は、「これが欲しい、あれが欲しいと物欲を満たそうとすることが、一番の貧しさではないか」「(自分は)質素なだけで、貧しくはない」とも言っていたとか。そんな大統領を大半の人が熱く支持したそうですが、そんな人々の暮らしぶりはどんななのでしょうか。
求めるものは人それぞれですが、真の心の豊かさとは何か。物欲について改めて考えながら、地球儀が欲しい・・・は許されるかなぁと、そんなことを思った次第です。