「MATCHA」。抹茶本物の味で気分転換
諸外国では「MATCHA」と表記される抹茶。抹茶ラテとか、抹茶タピオカとか、抹茶チョコレートとか、どれもこれも美味しいですよね~。
でも、本物のお抹茶を飲んだことはありますか? 茶道部所属の生徒さんならお分かりでしょうが、茶道でいただくお茶には薄茶と濃茶があって、甘味処などで用意されているのは薄茶です。表千家、裏千家など流派によって点て方が異なり、いずれにしても甘い和菓子と一緒にいただくと本当に美味しいですよね。
純粋にお抹茶だけ飲むと苦いと感じる人もいるでしょうが、これが薄茶でなく濃茶になるとたくさんの抹茶を練っていただくため、「苦い」を通りこして初めての人には驚きの口当たりになります。飲めない人のほうが多いかもしれません。でも、本当に美味しいお濃茶をいただくと、練ったお茶には光沢が出て、上質のお茶になればなるほど苦さのなかに甘みを感じたりするから不思議です。
私たちの身近にある煎茶の場合は、日差しの下で茶葉を栽培します。でも抹茶はまったく違って、茶畑をカバーで被覆して日光を遮り、それによって生まれるのがうまみです。ゆっくりじわじわと葉を育てていくことで、うまみが凝縮されるんですね。さらに、収穫した茶葉を乾燥させてから粉末にするのが抹茶で、もみこんでから乾燥させる煎茶とはまるで逆。粉砕のために使う機械もまったく異なります。
と、うんちくはこれくらいにして、抹茶は今や世界的ブーム。「MATCHA」と書かれた飲み物や食べ物が世界に溢れています。といっても本来の味に砂糖など甘みを加えた製品が中心ですが、このブームのおかげで抹茶の生産が追いつかないそうです。すでに今年の8月で、抹茶を含む粉末状のお茶の2025年の輸出量は前年の年間総輸出量を超えていて、需要はますます増える一方のようですね。
輸出先は、ナンバーワンがアメリカ。とびぬけて多く、そのあとはドイツ、タイ、イギリス、マレーシア、ベトナム、オーストラリアなどが続きます。幅広い地域に及んでいて、世界の人々が「MATCHA」に注目しているといっても過言ではないでしょう。
ただ、生産量は先日のブログでもちょっと触れたコーヒーと同じく、地球温暖化の影響、つまり猛暑が減産につながっているそうです。抹茶の原料である「てん茶」の価格も上昇の一途で、茶道部で使う抹茶が価格高騰によって買いにくくなったら困りますよね。
そんな抹茶の話を今回取り上げましたが、茶道部員でないと縁ないよという学生さん、いやいや、眠気覚ましにもいいのでぜひご自宅で愛飲してはいかがでしょう。頻繁にとは言わないまでも、抹茶茶碗と茶筅(ちゃせん)、そして抹茶があればすぐに点てられます。濃さは好みでいいし、一緒に甘いお菓子なんぞいただけばなお至福のひととき。頭がクリアになって「よし、もう少し勉強がんばるぞ」ってなるかもしれません。
抹茶の老舗は「一保堂」を筆頭にいろいろありますが、スーパーでも安めのものが売られています。時にはその抹茶にミルクを加えて「ラテ」にして飲んでもいいですね。茶筅の使い方が分からない人は、ぜひ周りにいる茶道部の皆さんに教えてもらってくださいね!

