BLOG

  • TOP
  • BLOG
  • 「青春って密」の言葉に思いを馳せて

「青春って密」の言葉に思いを馳せて

1カ月以上前のことになりますが、高校野球の夏の甲子園大会を制したのが宮城県の仙台育英高校でした。試合後の優勝インタビューで仙台育英の監督さんが言った言葉、感銘を受けた方も多かったのではないでしょうか。現在の高校3年生は新型コロナウイルスの影響で中学校の卒業式もままならず、さらに高校の入学式もなし。その年の夏の甲子園は中止となり、学校の授業はリモートが半分。こんな調子で授業や部活などすべてに制約を受けながら、現在に至っています。

 監督さんが「青春ってすごく密なんです」と口にしましたが、小さなことから大きなことまで、若い頃は本当にいろいろ起こります。とくにそれが顕著なのが高校時代でしょうか。でも大人になると毎日がほぼ同じ調子で進むことが多く、年を重ねれば重ねるほど当時の「密」だった時間が思い出され、懐かしくなります。そう考えると今の高校生は、体感できるはずの「密」の一部しか味わえていない。それでもその一部の「密」でいろんなものをつくり出そうとしている。そんな姿に、監督さんはインタビューを通してすごいことなんだと言いたかったのだと思います。

 優勝インタビューの締めくくりの言葉は「全国の高校生たちに拍手を送ってください」。すばらしいひと言でしたね。同じ高校野球の監督を務める方が「このセリフはストップ高だよ」とユニークな表現をしてましたが、まさにそうです。現在、高3生の多くは受験勉強で大忙しだと思います。センター試験の受け付けも始まりました。高校生活は残り5カ月ほどです。ぜひ「密」な時間を大切にしながら過ごし、思い出をたくさんつくってほしいと思います。

 ところで、我が娘に高校時代の思い出を聞いてみました。その中で爆笑したのが、朝の踏切でのワンシーンです。最寄り駅は高架になっておらず、改札を出たあと踏切を渡らなければ反対側にある学校へは行かれません。通学時間帯は当然ラッシュで、上り下りともに頻繁に電車がくるため開かずの踏切になることが多々あります。

 ある日やっとのことで踏切が開き、たくさんの生徒が遅刻するぞと踏切を急いで渡り出しました。でもすぐに「カンカンカン」と鳴り出して、遮断機のバーが下りてきてしまいました。それにもめげず、どどど~っとギリギリのところで渡ろうとする生徒たち。よっしゃと潜り抜けた生徒の後ろで響いたのは、ゴツンという音。誰かがバーを押し止めて、くぐったところでパッと手を離したようです。次に聞こえてきたのは、「いてぇ~」という叫び声。見事にバーが頭に当たったようで、この光景が偉くおかしかったそうです。いやいや、危ないので大きな声では言えませんが、想像しただけでおかしい!

 ・・・・・ってことは、あんたは遅刻ギリギリだってことね・・・と、親子の会話。でもこうした小さな出来事が「密」の一部を構成していくのでしょう。若いって、いいですね!

Page Top